日常的な草の根の活動に加え、本NPOが数年をかけて取り組みたいプロジェクトとしているのが、佐多に地縁のある徳之島で行われる『トライアスロンIN徳之島』を、障がい者の参加選手のみで開催する『パラトライアスロンIN徳之島』の実現です。

オリンピックとパラリンピックにみられるように、すでに知名度抜群の大会に加えパラだけでの開催が実現すれば、全国のパラスポーツ愛好者への宣伝効果やモチベーション向上効果は大きく、国内の障がい者スポーツの振興に大きく寄与することは容易に想像されます。

本NPOが目指す、競技参加者には欠かせないパラサポーターの認知や拡充も大きく動くでしょう。温暖な気候に加え、もともと人が温かいという素地のある島では、トライアスロンの大会以外にも実業団のキャンプ地であったりとスポーツ事業と相性がよいのです。

地縁と、長年積み重ねてきたスポーツとの親和性をベースに、本NPOでは少しずつ大会実現に向け動き始めています。パラスポーツ合宿、イベント、まちのインフラ整備といった「パラスポーツアイランド活動」に力を入れ、スポーツをする人・そのサポートをする人を島に呼び込み、パラスポーツの聖地を目指して地道に活動を進めています。

これは単に障がい者のためだけではありません。トライアスロンはじめスポーツでのブランディングを確立することは、徳之島に人を呼び、いま地方都市の目指す「滞在人口の増加」をもたらし、地域経済の活性化にもつながっていきます。障がい者のための大会を開催して「あげる」のではなく、開催によりお互いにメリットが生まれる。厳しい大阪経済の中で生き抜いてきた、佐多の商いの勘をフルに活かして、ひとや地域を巻き込んだ好循環を生み出していこうと考えています。

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